俺のイタリア

イタリアに行ったことのない男の日常

ホテルカルフォールニア

f:id:kaseken:20190523080519j:plain

昨日、父の部屋で大量のエロ本を見つける夢を見た。この歳になってなんて夢を見るんだろうか。

父の部屋の押し入れから「レッツ!カルフォルニアセックス」というエロ本というより、ハウツー本を見つけたのは、僕が小学校6年生の時。中の写真は、カルフォルニアの青い空の下、プールサイドで戯れる白人の男女。それまでに見知っていた公園で雨ざらしになったエロ本の閉ざされた、陰湿な感じの性とは違い、なんと開けっぴろげで、西海岸の風の様にカラッとたカルフォルニアンセックス。

あの本で、父がカルフォルニアンセックスを実践したかどうかは知りたくもありませんが、事あるごとにあの本を、うちの家に見にきた親友のNくんも、昨年家業のプラスティックの会社を継いで社長になって頑張っている。

 

 

料理写真

f:id:kaseken:20190521105454j:plain


最近、料理写真の仕事をよくもらう。

 「料理も恋も熱いうち」

と昔、何かのドラマで聞いた事がある。

僕は「熱いうち」を逃さないように、

何度も空の皿を撮影し、

料理が来るのをドキドキしながら待つ。

来た、湯気が出ている。

熱いうち、熱いうち、熱いうち。

気がつくと自分から湯気が出ている。

なんとか撮り終える。

で、誰かが言う。

「ワイン飲みたくなるでしょ?」

「ビールって感じですね〜」

「こりゃ、日本酒に合いますよ」

と。

で、僕は言う。

「車じゃないです。」

「強くはないけど飲むのは好きです。」

「このあと仕事はありません。」

「ビールいいですね!喉乾きましたね。」

自然派ワインですか?よくわかりませんが頂きます。」

 と。

早くお酒を頼みましょう。

料理が冷めてしまいます。

 

アイクリーム

f:id:kaseken:20190511142244j:plain


イギリスのキルバーンという街で、僕はフラット(アパート、マンション、団地等をイギリスではそう呼ぶ)を、ファッション関係の3人のゲイの人とシェアしていた。ある日、その3人から「ケンタロウー、もうすぐ30才だよね?、そろそろアイクリームを始めた方がいいよ」と言われた。僕がアイクリームがわからないというと、「オーマイガー、目の下に塗るクリームだよ。今始めれば、40になっても高級なクリームは必要ない。でも後から始めたら、安いクリームでは効かないよ」と忠告された。僕は、どっかのリフォーム会社の宣伝のような忠告に、全く関心がなかったので適当に返事したように思う。

でも最近、鏡で40も半ばに差し掛かった自分を見ると、目の下の皮膚の色とたるみが三国連太郎さんのそれに似てきている。彼らが言っていた「Xデー」は知らぬ間にやってきていた。でも、僕には三国さんの様な目だけで語る演技力も必要ないし、そもそも高いクリームを買う気もないので、たまに嫁さんが肘とか乾燥するところに使うクリームを拝借して、目の下に擦り込んでいる。

キル バーン

f:id:kaseken:20190423212824j:plain
20代後半、僕はイギリスに留学していた。最初はイギリスの郊外の方に住んでいて、それから写真の勉強をする為、ロンドンに移り住んだ。ロンドンで初めに住んだアパートは、キルバーンという街にあって、そこには、中東や東南アジア、アフリカからの移民の人が沢山住んでいて、駅前には、「ここはイギリスか?」と疑ってしまうような異国情緒たっぷりのマーケットもあり活気がある町だった。

引っ越してすぐの頃の夜、買い物に近くのスーパーに行こうと歩いていると、建物の少し奥まった所で、おばさん2人が言い争っていた。突然、片方のおばさんが相手をグーで殴った。殴られたおばさんがリアルな悲鳴をあげる。僕が驚いて立ちつくしていると、今度は殴られたおばさんが、スーパーのビニール袋持ったままの手で殴り返した。自転車はなぎ倒され、2人は地面に倒れこみながらも戦いは続いた。それ以降、最初のようなクリーンヒットはなく、オレンジ色の街灯の下、もつれあった2人が抱き合ってるように見えた。通りかかった中東系の人が「やれやれ」みたいなニュアンスで僕に微笑みかけた。僕は外国に来たんだなと思った。

謝罪

f:id:kaseken:20190511145701j:plain


「そんなこと言ったら全国の主婦を敵に回すで」

と、嫁さんは僕に言った。

「どこらへんが?」と聞くと、

「わからへんの?主婦の人に言ってみて、みんな敵に回すから」と続ける。

正直、全国区とまでは思っていませんでした。すいませんでした。

世界最強の男

f:id:kaseken:20190515221521j:plain


うちの次男は僕のことを「じゃんけん界、世界最強の男」と思っている。

そして、事あるごとに挑戦してくる。

その都度、「パパ強ぇーしっ」とのたうち回る。

最強の男は敗北の味を知らない。

「せっけー!まじ強ええしっ」

そんな言葉どこで覚えてきてん、小学校か?

なら世の中のことも少しは分かっただろう。

言っておく、「おまえの父親は最強だ!」

そして、もう一つ言っておく、じゃんけんの最初に出す時、グーとパーも使った方がいいということを。

 

 

 

 

血ー吸うたろか?

f:id:kaseken:20190515134857j:plain


「加瀬さんはB型ですか?」

初めて仕事する人にたまに言われて、少し面倒くさいなと思う。

僕がA型だというと、

「A!! Oじゃなくって?」

もうA型だと言いましたよ。

「じゃーAB?」

A型だと何か不便なことでもあるんだろうか?

そのくせ、「加瀬さんはA型でしょう?」と初対面で言い当てられると、自分が細かいやつだと、はなからバレてそうでドキッとする。それよりも破天荒な芸術家っぽいBとか、周りを気にせず自分を貫けるOに間違えられたい自分もいる。

で、血液型の話が結構好きな自分に気づく。