俺のイタリア

イタリアに行ったことのない男の日常

トイレ指南

f:id:kaseken:20200127095821j:plain


昨日、トイレから三男が「でたよ」なんて声が掛かったんで

出向いてみますてぇと、あれの終わった三男が、

トイレットペーパーをくれって言うもんですから、

「あちきがかわいい尻でも拭こうかしら」

なんて思っていますてぇと、

「じぶんで、じぶんで」

なんて三男の方で言うもんで、

「あら、こりゃ残念」

と思いましたが、

子どもに独立心が芽生えて喜ばないのも

親としておかしいんじゃねえかと思い直したりなんかしましてね、

三男の晴れ舞台をトイレの端からしっかと見学していたって訳なんですけども、

これがなかなか大人も顔負けの拭き方で、

拭いた後の紙を見る所なんか堂が入っていやしてね、

「こいつぁ、一角の人間になるにちげぇねぇ」

と親バカだと思われるでしょうが、喜んでいた訳です。

それであいつがトイレを出たんで、パンツを履かせてやろうかと思いましたらね、やっぱり例の

「じぶんで、じぶんで」

って言うもんですから、

あたしゃね、もう目頭が熱ーくなって、

「おい、かあちゃん、見てみい、チビっこいのが「じぶんで、じぶんで」ってパンツを履いてるよ」って、二人で赤飯でも炊こうかって相談していた訳なんですけど、

まあ、あれですねぇ、まだまだ赤ちゃんに毛の生えた様なもんで、

パンツの後ろっ側がひっくり返ってんですよ。

「こりゃ、しようがねえな、やっぱりあちきの出番かな」

とこの度も馳せ参じた訳ですが、

パンツを上げる前に老婆心ながらちゃんと尻が拭けてるか

チェックしておこうと思いましてねぇ、

「くんくん」

尻を嗅いでみましたところ、

そのくさいのくさくないの。

うんこがそのままついてんじゃねえかってぐれぇで、

こちとら今日になっても鼻がほらっ、

ひん曲がったままでございます。

 

 

 

 

ドロ人間

f:id:kaseken:20200126111429j:plain

ドロ人間とは、首から上が泥で出来た人間。

とにかく恐ろしいドロ人間は世界各地にいる。

 

家族で大阪に向かう飛行場。

その行く手を謎の外国人が遮った。

「電話番号を教えないと、骨を1本取るぞ」

と謎の外国人は言ってきた。

しょうがないので電話番号を教えて飛行機に乗る。

「あれっ、そんなに怖くなかったわ。」

とここで、昨夜長男が見たすごく怖い夢「ドロ人間」の話は終わった。

結局、ドロ人間は話に一度も出てこなかったから、

謎の外国人の方が数段怖かった。

とりあえず、まだ誰からも電話はかかってきてない。

 

打ち合わせ

f:id:kaseken:20200124220552j:plain

打ち合わせが1日に3つ入った。

写真の仕事が1つと文章の仕事が2つ。

 

最近ネジ屋に立て続けにバイトに通ったせいか、

義理の兄(ネジ屋社長)が嫁さんに、

「健ちゃんて、写真の仕事ないの?」

と心配して聞いてきたらしい。

それに僕もそろそろ本職の写真の仕事がしたい気分になっていたのでうれしい。

 

「いや〜、パパな、仕事入っちゃって、明日東京で3つも打ち合わせに行かなあかんわ」

と僕が嬉しさを抑えきれず、近くにいた長男に言うと、

「よかったね。最近仕事なかったもんね」

と言われた。

 

小3にもなれば大概のことは分かってると思っていい。

 

ブラックジャック 手塚治虫

f:id:kaseken:20200122225245j:plain

大阪の実家の近くに貸し漫画屋があった。

漫画が何よりも好物だった姉と僕(二人とも小学校の時にマンガクラブ所属)は、夕方になると、よく二人でその貸し漫画屋に向かった。

当時、「手塚治虫」にはまっていた僕は、片っ端から「マンガの神様」の作品を読み漁っていたが、店頭にはマンガを並べるスペースに限りがあるので、手塚治虫のような古いマンガは、店主のおじいさんに言って奥から出して来てもらう。

ブラックジャックの23巻と24巻と25巻ありますか?」

と僕が言うと、おじいさんはいつも一瞬固まり、

何も言わずにジロリとこちらを見る。

その眼差しには

「手塚か?おまえわかっとんな」

という意味が含まれているのは、他の漫画を借りた時に、この儀式がないのでも分かっていた。

おじいさんは、店の奥から本を持って出てくると席に座り、

「ブラックジャーーック、手塚治虫

と結構でかい芝居掛かった声で誰に言うともなく言う。

どう反応していいのか分からず突っ立っている僕をよそに、おじいさんは店の帳面に僕の会員番号と日付を鉛筆で書き込む。

 

姉が漫画の借り賃を僕の分もまとめて払う段になると、おじいさんは、毎月難波のビヤホール「ライオン」で開かれる戦友会に中学生だった姉を「来たらみんな喜ぶねんけどな」といつも誘っていた。

 

 

 

主夫

f:id:kaseken:20200120134956j:plain

今日は主夫。

朝から嫁さんは実家のネジ屋に働きに行った。

嫁さんは、前の晩から朝ごはんを用意して、

朝もいつものようにダラダラ起きないで、

パッと目がさめるているご様子。

生き生きしている。

出会った頃のあなたのようだ。

いつの間にか、僕はあなたをカゴの中の鳥にしていたのだろうか?

羽ばたいていけ、横須賀線に乗って。

キレイだよ。

ぱたぱたぱた。

 

今日の僕は主夫。

まずは家で洗い物。

あれっ、おかしいや。全然洗い物する気にならないぞ。

てへっ。

気がついたらもうお昼だよ。

あれれ、お昼の洗い物もたまっちゃったよ。

でもおかしいや、これでも洗う気にならないぞ。

頭と体、ドッキングしてくれー。

幼稚園のお迎えだ、急げ急げ。

帰って来てもやっぱり洗う気になんないし。

はっはっは。

誰か、誰か言っておくんなまし、食器を洗えと。

監視しておくんなまし、洗うところを。

あれー、子ども達が帰って来たぞ。

ヒャッホー。

加瀬三等兵、とりあえず晩飯の支度にとりかかる所存であります。

おかしいな〜、全く作る気にならないや。

キャーー。

もう外が暗くなって来たのだ。

コツコツコツ。

あの音は、嫁さんのハイヒールの音。

やばい、もう帰って来た。

よく聞いてみると、タイトスカートの衣擦れ。

シャカシャカ。

オフィスレディーを気取ってやがる。

コツコツ。シャカシャカ。コツコツ。

もうダメだ。

僕は指でピストルを作り、自分のこめかみにそっと当てる。

バキューン。

ジ・エンド。

洗わずの食器が増殖していく。

かちゃかちゃかちゃ。

 

 

 

 

 

バリ取り2日目

f:id:kaseken:20200120134912j:plain

バイト2日目。

 

朝からバリ取り。

今日はパートのおじさんがいないので、

バリがよく取れる方の研磨機が使えて嬉しい。

鉄のプレート、アルミのプレート。

鉄のプレートの方がやり甲斐がある。

アルミのプレートはバリが判りずらくて肩が凝る。

 

昼ごはん。近くの居酒屋のランチ。

牛肉とキノコの麻辣炒め、750円。

会長(お義母さん)にご馳走になる。

 

大田区の町工場まで配達。

工場の人達が黙々と働いている。

無愛想だけど、技術凄そう。

会社に戻ると、

「お茶の時間にしましょう」

と会長がジュースと栗まんじゅうを持って来てくれた。

甘いのに甘いので口の中がすごく甘かった。

 

バリ取りの続き。

アルミの方。

やっぱりバリが判りづらい。

5時、仕事終わり。

背中がパンパンになる。

駅の近くのスーパーでブリの刺身と焼酎を買って帰る。