俺のイタリア

イタリアに行ったことのない男の日常

酔いどれ天使

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年末に餅つきをした。

隣に住んでいたケンさんから貰った

臼と杵を初めて使った。

その餅つきに来ていたヒデちゃんは、

子どもの友だちのお父さん。

 

前に幼稚園で体験見学会があって、

体に障害のある車椅子に乗った子が来た時、

周りの人がどう接したらいいかわからない中、

ヒデちゃんは車椅子にがぶりつき、

笑顔でコミュニケーションをとり、

その会が終わるまでずっと話しかけていた。

この人は大したもんだなと思った。

介護の仕事をしていると聞いてたが、

天職なんだろうと思った。

会の終わりにヒデちゃんに近づくと、酒臭かった。

酔いどれ天使なんだろうと思った。

 

餅つきの会の時も水筒に「梅割り」を持参し、

飲み飲み誰よりも働いていた。

ヒデちゃんの笑顔は犬のようにかわいい。

 

 

 

 

 

子ども落語発表会

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次男の落語発表会が今月の初めにあった。

2ヶ月間、毎晩ふたりで稽古した日々も懐かしい。

 

「やりたきゃ、パパがやればいいんだよ」

といって泣かした夜もあった。

いっそ、しれっとやめてしまおうかと思ったこともあった。

ドトールのジャーマンドックとミルクレープで釣って、

稽古に連れていった日もあった。

よその子と比べて

「何ででけへんねん」

と憤ってしまったこともあった。

「おっさんさー、子ども使って夢見てんじゃねぇーよ」

と不良グループの女の子に諭される一幕はなかった。

「こんなおじさんに、どうやって自分で夢を見ろっていうんだよ」

と泣きながら言い訳した事もない。

「おっさんも、なんか大変っぽいな」

と不良グループの女の子に同情されもしなかった。

 

ただ本当に楽しかった。

ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大掃除

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今日は大掃除をした。

夜、三男と風呂に入った。

出しなに三男が、

「パパ、あかちゃんね」

と言ってタオルで拭いてくれた。

「バブバブー」

とあかちゃんになってみたら、

「きもちわる」

と言われる。

面白くなって、

もっとあかちゃんになりきったら、

三男は怖がって泣いた。

可哀想なことをした。

 

年の瀬

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今年も残すところ、あと4日。

新聞の契約更新の人が来た。

更新の時は、いつもビールをもらってるというと、

「コロナですから、言い訳にしたくないんですけど」

といって、本当に悔しそうな顔をしたので、

僕もその演技に付き合って苦い顔をした。

ビールの代わりに洗剤を6本置いていった。

 

 

 

 

 

 

おれは正直者

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男の人がひとり立っていた。

信号を待っていた。

車は来そうにない。

3歩で渡れそうな道の信号を

その人は渡らない。

「あれぐらい渡ったらいいやん」

とうちの妻に陰口を叩かれようと、

その人は、しかと信号を見据えている。

青になった。

正直者は3歩で渡きった。

メリークリスマス

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ファンレターがきた。

「ぐうたらとけちとぷー」を読んだ小学生からきた。

うれしい。

「加瀬さんは、ぐーたらとは思いません。

ぐーたらでも続きを書いてください。」

と書いてあった。

書こう。

小学生が、僕はぐーたらではないと言い切ってくれてるし、

たとえ、ぐーたらでも書いてと言ってくれているので。