俺のイタリア

イタリアに行ったことのない男の日常

遺伝

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街を散歩してスナップ写真を撮るという仕事が来た。

「いつも頼まれもしないでやっていることがお金になるなんて素敵」と思ってうれしかった。ロケの当日、担当のUさんと散歩しながら写真を撮った。Uさんもうちと同じぐらいの子どもがいて、自然と子どもの話なんかして歩いていた。Uさんの子は、車が大好きらしい。「じゃあ、Uさんも車好きでしょう?僕は興味ないから、うちの子は車にいきませんわ」と僕が言うと、「いや、僕も車には全然興味ないんですけど」と言うから、まあそんな事もあるだろうと思って写真を撮っていた。

昼過ぎに写真を撮り終えて、駅前でお疲れさまということになった。Uさんが「僕は車で来てますんで」というのでそこで別れた。別れた後、僕は気になって駐車場に向かうUさんを目で追うと、うすい水色がなんともいい感じのトヨタランドクルーザーの前で止まった。「結構興味ある方ちゃう?」と言った自分の声が、周りの人にも聞こえるぐらい大きすぎて、自分でも驚いた。