先週「タケ会」があった。
それはタケちゃんと呑みたい人が集まる会。
でも来るのは、僕と友達の一哲くん。
フライものを出す立ち飲み屋で飲み出した。
店全体にフライの油がこびりついたような味のある店だった。
タケちゃんは、そこのアジフライがえらく気に入ったらしく、
「アジフライ3本」と僕らは頼んでもないのに、
「ひとり一本な、ほんまうまいから食べてみて」と僕らの分まで勝手に注文していた。
「このアジフライな、5本頼んでな、ご飯の上に乗せたら丼ぶりになるで」と、タケちゃんは、あたかもすごい発見のように、当たり前のことを言った。
気づいたらタケちゃん、抑えきれない気持ちを店主に説きだしていた。
「このアジは、しゃれたフレンチなんかよりずっと上手いですわ」
僕は、表現が昭和やなとおもったが、意外と店主は乗ってきて、
「私は日本料理出身ですから、フレンチのことはさっぱり」
と満更でもなさそう。
褒められて嬉しくない人間はいない、二人はしぜんに意気投合。
そこで、タケちゃん
「このアジフライ5本ぐらいご飯の上に載せたいですわ、丼ぶりになりますよ」
と言った。
僕は、そりゃそうやろと思った。