秋の海。
海からの風が強く吹いているが、
天気が良かったせいか気持ちいい。
ベンチに腰かけて海を見ていると、
砂浜を中年のカップルがイチャついて歩いている。
不倫かしらん。
秋の海+中年のカップル+イチャイチャ=不倫かしらん
彼がレクサスのアクセルを踏む。用賀インターから第2京浜に入ってやっと一息つく。SUVの大きな車体は、まるで彼の背中の様。平日、昼の葉山の海。ここまで来れば、もう誰も私たちのことを知っている人なんていない。砂浜。彼の先を歩く。靴を脱いで足だけ海に入る。「気持ちいいよ。」海の水は思っていた程冷たくなかった。生乾きのまま靴下を履く。臭くならないだろうか?まぁいい。ここでは彼は私だけの彼なんだし、蓄のう症なんだし。彼は、薄手のコートのポケットからティッシュを2枚出すと丁寧に畳んだ。「チンッ」と男らしい音を出して思いっきり鼻をかむ。そんな彼を秋の光が包む。とっても、とってもステキよ。