先週スウェーデンにいった時の話。
撮影も終えた滞在最終日、夜に写真美術館に行く時間が出来た。でも美術館に入って直ぐに、時差ボケで立ってられないくらいの睡魔が襲って来たので、地下にあった荷物預かり所の横のベンチで軽く寝ることにした。
目を閉じて1、2分過ぎた頃、
「ブーッ」という音が聞こえた。
「これは屁だな」と思って、
重い瞼を開けてみると、
少し離れた所に女性が一人立っていた。
他に誰もいないところを見ると、
こいたのは、間違いなくこの女性だろう。
僕が驚きで、屁をこいた人から目を離さないでいると、こいた人が僕の目線に気づいたのか見返して来た。
「こいたのに見返してくるんや」
と驚いた。
僕がビックリして目を逸らせないでいる間も、
向こうは無表情でこっちを見返し続けている。
「スウェーデンでは、結構大きい音でこいても見返してくる文化なんや」
と感心した。
その振る舞いが、あまりにも堂々としてるので、そのうちなんだか、僕のほうが屁をこいたような気になって、こっちから目を逸らした。