トイレ指南
昨日、トイレから三男が「でたよ」なんて声が掛かったんで
出向いてみますてぇと、あれの終わった三男が、
トイレットペーパーをくれって言うもんですから、
「あちきがかわいい尻でも拭こうかしら」
なんて思っていますてぇと、
「じぶんで、じぶんで」
なんて三男の方で言うもんで、
「あら、こりゃ残念」
と思いましたが、
子どもに独立心が芽生えて喜ばないのも
親としておかしいんじゃねえかと思い直したりなんかしましてね、
三男の晴れ舞台をトイレの端からしっかと見学していたって訳なんですけども、
これがなかなか大人も顔負けの拭き方で、
拭いた後の紙を見る所なんか堂が入っていやしてね、
「こいつぁ、一角の人間になるにちげぇねぇ」
と親バカだと思われるでしょうが、喜んでいた訳です。
それであいつがトイレを出たんで、パンツを履かせてやろうかと思いましたらね、やっぱり例の
「じぶんで、じぶんで」
って言うもんですから、
あたしゃね、もう目頭が熱ーくなって、
「おい、かあちゃん、見てみい、チビっこいのが「じぶんで、じぶんで」ってパンツを履いてるよ」って、二人で赤飯でも炊こうかって相談していた訳なんですけど、
まあ、あれですねぇ、まだまだ赤ちゃんに毛の生えた様なもんで、
パンツの後ろっ側がひっくり返ってんですよ。
「こりゃ、しようがねえな、やっぱりあちきの出番かな」
とこの度も馳せ参じた訳ですが、
パンツを上げる前に老婆心ながらちゃんと尻が拭けてるか
チェックしておこうと思いましてねぇ、
「くんくん」
尻を嗅いでみましたところ、
そのくさいのくさくないの。
うんこがそのままついてんじゃねえかってぐれぇで、
こちとら今日になっても鼻がほらっ、
ひん曲がったままでございます。