俺のイタリア

イタリアに行ったことのない男の日常

インターフォン

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この写真はO君ではなくうちの次男です。念のため。


近所に住んでる子どもの友達のOくんは、

朝の登校時、うちの子を呼びに来てくれる。

「早く準備しーや、Oくん待たしたらあかんよ」

と雷を落とす嫁さんの声が子どもに聞こえていないのか、僕に似て出来が悪いのか、Oくんにいつもインターフォンを鳴らしてもらってから、少し待ってもらうことになる。それで僕は、インターフォンの液晶に映ったOくんに話しかける。

「Oくんおはよう」

と僕が言うと、

「おっはー」

と返事してくれる。

僕はOくんが退屈してはと、

「おはようございます」の声を変えたり、

語尾を変えたりしながら、ひつこく挨拶する。

すると、Oくんはクスッと笑って、すぐにインターフォンのカメラを指で押さえて、こっちから見えないようにしてくる。

僕はこの一連のやりとりが好きで、朝、インターフォンが鳴るのを楽しみにしている。