告白
連載の話がきた。うれしい。
よっぽど面白くない限り、一年は続くんじゃないかと思う。
単発の仕事は、都合のいい時にだけ呼び出される男。
でも連載は、「付き合ってください」って言われた幸せな男。
「あ、はい、僕でよければ」
と言った瞬間、
彼女の友達AとBが、校舎の陰から小走りで現れて言う。
「〇〇ちゃん、ほんとよかったね! 加瀬、〇〇ちゃん泣かしたら、私たちが承知しないからね」
「おう」と僕はグラウンドの方を見て返事をした。
泣いちゃうぐらい本当の恋にしてくださいな。
「カキーーーン」
校舎に跳ね返った金属バットの音を、
僕は一生忘れないと思う。
これから一年、あと何人と付き合えば、
家族が食べていけるか計算する。