目白
最近、嫁さんが四男に掛かりっきりなので、
足りなくなった愛情を補填するためか、
三男の僕への執着がすごい。
ご飯も、遊びも、風呂も、寝かしつけも、僕のところに来る。
うれしいが、めんどくさい。
めんどくさいので、
目を白目にして、前歯を出して、手をオーソドックスな幽霊のように前に垂らし、動きをゾンビのようにすると、必死で逃げていって、
「パパ、ふつうのかおにして、ふつうのかおにして」
と言って、遠くからこちらの様子を伺ってくる。
僕は、憑き物が落ちたかの様にふつうの顔に戻し、安心した三男がまた近寄ってきたら、白目で薄気味悪く笑ってやる。