俺のイタリア

イタリアに行ったことのない男の日常

おれは正直者

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男の人がひとり立っていた。

信号を待っていた。

車は来そうにない。

3歩で渡れそうな道の信号を

その人は渡らない。

「あれぐらい渡ったらいいやん」

とうちの妻に陰口を叩かれようと、

その人は、しかと信号を見据えている。

青になった。

正直者は3歩で渡きった。