ティッシュ
家で仕事をしていると、
チャイムがなる。
やっぱり近所のOちゃん。
「まだ誰も帰ってきてへんで」
と言うと、ごみょごみょと何か言って家に入ってきた。
おもむろにティッシュの箱から1枚引き抜くと、
僕が仕事しているテーブルまでやってきて、
ティッシュでテーブルを拭きだした。
綺麗になったスペースに教科書をひろげると、
そこら辺にティッシュを放り投げ、
黙って宿題をはじめた。
あっという間に宿題を終わらせると、
「何してるの?」
と聞いてきた。
「今なこの本を日本語に訳してんねん、おっちゃん翻訳家や、かっこええやろ?」
と言うと、
「きもっ」
と言われる。
ちょっとして次男が帰ってくると、
昨日やったゲームのことを必死になって話す。
伝えたい気持ちだけは伝わるが、
どんなゲームなのか全く伝わってこなかった。
めんどくさいので適当に相槌を打っているとOちゃんが、
「何言ってっかわかんねーんだよ」
と言ってくれた。