俺のイタリア

イタリアに行ったことのない男の日常

阿部先生

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「阿部先生」

 僕は経歴に「大阪ビジュアルアーツ写真学科夜間部卒」と書いてない。

書いてない割に、真面目に2年間通っていたクラスの担任が、「阿部先生」だった。

 

 とりあえず写真をすることだけは決めて学校に入ったが、まだ何をどうしたいのか、全くわからない手探りの状態。

時代はガーリーフォト全盛で、カラフルなカラー写真を撮るクラスの女子も多かったが、

当時の大阪ビジュアルアーツは、モノクロの硬派な写真が主流の校風、僕も他にもれず、

大阪の街を撮りだした。

 

ギャラリー35分ではじまる阿部淳写真展「黒白ノート」に先立ちまして、「阿部先生」を4回に分けてお届けします。写真は阿部先生の暗室にお邪魔した時に撮らしてもらったものです。モノクロの写真は阿部先生のものです。

僕の大好きな写真家阿部淳の写真展、

是非、すばらしいストリートスナップに触れてください。僕はビックリしてばっかりです。

 


阿部淳 「黒白ノート」 /  Abe Jun 「Kokubyaku note」

2024年3月20日(水)~4月27日(土) 16:00 – 22:00
定休日:日・月・火
*1ドリンクオーダー

<オープニングレセプション>
3月20日(水)18:00 – 21:00

[前期]
「黒白ノート 2」  2024年 3月20日(水)-4月2日 (土)   16:00~22:00
[後期]
「黒白ノート 3」  2024年 4月10日(水)-4月27日(土)  16:00~22:00

スタジオ35分
東京都中野区上高田5-47-8

 

まんが

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確か大学生の頃。

台風で豪雨の中を濡れないように、

短パンにビーチサンダルで傘さして、

駅向こうにできた中古まんが屋まで歩いていった。

その頃大好きだった「じみへん」をレジに持っていくと、

店主のおっちゃんが、

「にいちゃん、Tシャツ表裏逆やで」

と言うので、

「昨日、表着てたんですわ」

と本当のことを言うと、

「あんたがマンガやわ」

とおっちゃんは感心した。

そしたら、急に店の奥のカーテンが開いて、

小学生くらいの女の子が、黙ってこっちを見た。

ヨーグルト

食後にヨーグルト。

食べたらいつもに増してうまかった。

おかわりした。

またおかわりした。

50年近く生きてきて、

はじめてヨーグルト二杯もお代わりした。

「おいしいでしょ?それ、私用のヨーグルト。みんなにはそれの半額ぐらいの出してるの」

と妻。

自分だけいいのを食べてたんだね。

すごいね。

腹痛

ご飯中、三男がお腹が痛いと言いだした。

「うんち?」と聞くと、

「ちがう。あのさ、あかちゃんうまれるかも。ねえ、あかちゃんて、男の人からもうまれる?」

ときた。

「男の人からは産まれないよ」と妻が言うと、

「よかった」と三男は安心した。

すると、四男がおなか痛そうにして、

「ぼくもあかちゃんうまれるかも」

ときた。

 

 

幸せ

学校の宿題で、親の職業について長男にアンケートされた。

 

なんでこの仕事を選びましたか?

「写真が好きだったから、かな」

 

仕事を始める前のイメージと実際始めた後では違いましたか?

「ベンツに乗って、モデルと結婚できるのかと思ってたけど、

中古のトヨタに乗って、一般人と結婚しました。って書いといて」

 

仕事のやりがいは何ですか?

「自分がいい写真を撮ったなと思ったものが、本や雑誌などになって、読者やクラアント、被写体の人に喜んでもらえたら幸せ、と書いておこうか」

というと長男が

「ちょっと待って、しあわせ…、しあわせはひらがなで書いたほうが伝わるな」

と言ったが、

本当は「幸せ」が漢字で書けなかった。

 

 

 

 

 

 

 

ファンレター

東京新聞の読者から達筆で書かれたハガキをいただく。

達筆と文面から察するに、ご年配の女性のようだ。

というか、葉書をくれるのはいつもご年配の女性。

熟女バンザイ。

貼られたクリスマスのシールもいい。

うちの子を「我が家の孫のように思う」

と書いてあった。

うれしい。

はがきを眺めながら焼酎の水割りを呑んでいると、

「一枚のファンレターをあてに呑んでんの?」

と妻がひやかしてきた。

これ一枚で何杯も呑めるだけ、

熟女からのハガキは旨味成分が濃い。