2023-01-01から1年間の記事一覧
東京新聞の読者から達筆で書かれたハガキをいただく。 達筆と文面から察するに、ご年配の女性のようだ。 というか、葉書をくれるのはいつもご年配の女性。 熟女バンザイ。 貼られたクリスマスのシールもいい。 うちの子を「我が家の孫のように思う」 と書い…
仕事が途切れて一週間。 このままでいいのか、と思いはじめる。 二週間。 自分の人生はこれでいいのか、と考えはじめる。 三週間。 なにか答えがつかめそうな気がしはじめる。 と、仕事が入り、何もかも忘れてしまう。 頑張って働く。
週末。 「焼き肉のタレ」を探していたが見つからず、 しかも「焼肉」という言葉が出てこない。 間違っているのは分かってたがとりあえず 「『しゃぶしゃぶのタレ』どこ?」 と妻に聞いてみた。 妻は「ごまだれ?」と聞いてきた。 妥当な反応だ。 「違う違う…
朝起きてから、時間のかかるお米を入れた圧力鍋とお味噌汁の鍋を火かけるまでトイレに行くのを我慢している。 点火するやいなや、急いでトイレに駆け込む。 今朝もそうやって、一晩中膀胱に貯め込んだものをすりーっと出していると、 ばーんとトイレのドアが…
妻が原稿を書いている僕のところにやってきて、 「今月の東京新聞のアイデアあげようか?」 と言ってきた。 「ください」とお願いすると、 「私、最近インスタ見てて気づいたんだけど、世界中お父さんて、どこもみんなどうしょうもないの。それ書いたら?」 …
午前中は家で仕事。 お昼に駅そばを食べにいこうと歩いてたら、 向こうのほうから、おっちゃんが大きな声で歌いながら自転車で近づいてきた。 「陽気やな」と思っていると、 おっちゃんは僕の5m前で歌うのをやめ、 5m後からまた歌い出した。
四男の今日のヒーローごっこ。 お気に入りの赤いパーカのフードを被り、 小さい両手は硬く握られる。 「おれぇはシュパイダーマン……。」 とぶつぶつと長い独り言をいい、 こっちにやってくると 「おまえもこい」 と言うのでついていく。 「よし、これをもっ…
出張続きで一週間家にいなかった。 「いいなあ、自分のことだけしてたらいいんやろ」 と妻に言われるも、 「仕事やんか」といいつつ、 すごく楽しみにしていたが、 2泊目の夜に子どもに会いたくなって 携帯で子どもの写真を見て寝る。 名古屋でタクシーに乗…
「ママ、水筒ちゃんと洗ってる?」 部活から帰ってきた長男が言った。 「洗ってるわよ」 と妻、不機嫌になって言い返す。「だってハエが出てきたんだよ」 長男の水筒は、黒くて1.5リットルもはいるビッグサイズで爆弾みたいに見える。
車で家の近くを三男を乗せて走っていたら、 「この道通ったことないよね」 「なんでいままで通ってくれなかったの?」 「この道通ってほしかったな」 と三男ははじめて通る道に興奮していた。 「かわいい犬いるよ。犬か猫飼いたいな」 「ほら、おじさんが洗…
『ポール・ヴァーゼンの植物標本』 標本展示 がはじまります。 お近くの方は是非どうぞ。 会場:恵文社一乗寺店 (京都・一乗寺) 会期:2023年11月3日(金)~11月30日(木) [第1期] 11月 3日(金)~ 9日(木) [第2期] 11月10日(金)~16日(木) […
阪神が優勝した。 うれしい。 テレビでプロ野球中継。 試合中、ガムを噛んでる選手を見た三男が、 「えっ、お菓子食べていいの?」 と聞いてきた。
次男は朝から、いそいそと狼男のお面を作っていた。 針金ハンガーをペンチで伸ばし、グルーガンで繋げ、その上に紙粘土を貼り付け、そこまでいって、これはうまく出来ない、と諦めたのか、全てを食卓の上にほったらかしたまま、拗ねて布団に入って漫画を読ん…
三男とお風呂に入っていたら、 「こっから見るとパパ、サルみたい」 と言われる。 「なんでや」と聞くと、 「顔がサルみたいだから」 って言ってた。
この前の日曜日は、三男の幼稚園の運動会だった。 一緒に行った義理の母は、 「おばあちゃん」と幼稚園の先生に呼ばれて怒っていたが、 他に呼びようがあるなら教えて欲しい。 そんなことより、子どものかけっこより、 僕の今回の目玉は保護者リレーだった。…
夕立に会ってびしょ濡れで帰ってきた次男が、 「雨の中で遊んできていい?」 とまた出ていったので、 僕も傘をさして表に出た。 「おかしくない?雲が左に動いてるのと、右に動いてるのとある。見て、向こうのほう晴れてる」 次男はさっきよりも雨に濡れてい…
自転車屋に修理に行って帰ってくると、 初めて見る次男の友達が遊びに来ていた。 その子は、漫画「ど根性ガエル」のぴょん吉のTシャツを着ていた。 僕はその子の真ん前に立って、ど根性ガエルのアニメの歌の1番を終わりまで歌った。 友達は最初は戸惑ってい…
真夜中の暗闇。「パパ、おなかへった」と、四男やってくる。寝たふりを決め込むが、しまいに可哀想になってきて台所に行きバナナを食べさせる。 食べ終わって水を飲むと、 「ごほんよんで」という。「一冊だけ読んだら寝ようね」と念を押すが、だいたい3冊…
「きょうちゃん、うんちっちかな?」 妻は四男のズボンの上からくんくんと嗅ぎ、 おむつの中を覗く。 「あれっ、うんちっちしてないですねぇ」 と妻言う。 すこしして、 「あれっ、やっぱりうんちっちかな?」 とまた妻ズボンの上からクンクンしておむつを覗…
晩御飯の後、 テレビでアジア大会の陸上競技の100Mを見ていたら、 中国の選手で謝震業(しゃしんぎょう)という名の選手が出ていた。 写真業を営んでいる僕としては驚いた。 レース前に選手紹介でテレビが選手をアップで抜き、 みんなそれぞれテレビに向…
「へび、へび」 朝、三男が大声を上げた。 トイレの窓から見える納屋の屋根裏にへびがゆっくりと入っていった。 へびはまだ子どもなのか細かった。 うちには大きな蜘蛛、大きなげじ、ムカデ、ヤモリがよく出てくるけど、納屋に蛇まで住んでるとは知らなかっ…
部屋で仕事をしていると、 妻のあとから長男が真面目な顔をして入ってきた。 「中学校の壁に大きな穴を開けた」らしい。 遊んでいて体育館のマットようなものを投げたら空いたそうだ。 前にもう少し小さい穴を開けた人は、 修理代に7万円払ったと先生から聞…
妻がまた新しい資格に向かって勉強している。 つい先日まで保育士の勉強をしていた。 「あかちゃん触れるんだもん天職かも」と言ってたのにやめた。 カラーコーディネーターは本だけ買ってやめた。 子供服のブランド立ち上げはミシンが壊れてやめた。 TOEIC…
子どもがパンツを忘れて銭湯から出ていった。 だらしがない。いつもこれ。 仕方ないので、床に落ちたパンツを拾って銭湯を出る。 「おい、誰やパンツ忘れてたの?」 というと、子どもたちが、 「それ、落ちてたやつだよ」 「パパ持ってきちゃったの?きった…
暦の上ではもう秋なのに、クーラーを入れるか悩む夜が続く。そのせいか、子どもがみんな風邪をひいた。 熱を出して、家でゴロゴロしている子どもを見ていて、おもわず妻に「こんなかわいい子四人も産んでくれてありがとう」と言うと、「ありがとう。種付けし…
「こぐまちゃん」は四男の好きな絵本。 でも、四男はまだうまく「こぐまちゃん」て言えない。 「ねえパパ、ここぐまちゃんよんで」 「ねえ、ここぶまちゃんよんでよ」 「おぶま?」と自信がなくなってきて、 「ねえ、なんていうの?」と聞いてくる。 「こぐ…
うちの二、三、四男が風邪をひいた。 学校も幼稚園もお休み。 退屈な妻と子どもが紙粘土をはじめた。 妻が食パンの耳を立てたような、 ペン置きを作っていたので、 「そういうの、すぐに埃かぶって邪魔になるよ」 と言うと、 「無駄なことばっかり言ってない…
一日海で遊ぶ。 夕方「そろそろ帰ろうか」と言ってからが長い。 最後はコンビニでアイスを買うことを条件に、 子どもたちやっと帰り支度をはじめる。 自分の都合で人を動かすにはお金がいる。 やっとこさ海から上がってきた三男が、 「ほら、さわってみて」 …
四男とお留守番。 レゴで家を作る。 ベッドを置き、屋根、お風呂、テーブルを置き、牛とキリンを飼い、屋上にヘリポートまでつけた。 目玉は家の玄関が駅、という驚きの駅近物件。 四男の操るサファリルックの冒険家の人形は、 玄関から機関車に乗り込むと、…
「洗っても 洗っても 洗い物」 と妻が食器を洗いながら言った。 「すごいな、俳人やな」と褒めると、 今度は自慢げに 「回しても 回しても 洗濯物」 と言い、 「かたずけても かたずけても 汚部屋」 「つくっても つくっても ごはん」 と続けた。