俺のイタリア

イタリアに行ったことのない男の日常

出口です

出張続きで一週間家にいなかった。

「いいなあ、自分のことだけしてたらいいんやろ」

と妻に言われるも、

「仕事やんか」といいつつ、

すごく楽しみにしていたが、

2泊目の夜に子どもに会いたくなって

携帯で子どもの写真を見て寝る。

 

名古屋でタクシーに乗ると、

かなり年配の運転手さんが話しかけてきた。

 

「どちらからお越しですか?」

「東京です」

「失礼ですけどお医者さんですか?」

と聞かれた。

「どこか悪いんですか?」

「もう悪いとこだらけで」

 

おじいさんの運転するタクシーは、

降りる予定の高速の出口の一つ手前で間違って降りた。

おじいさんも僕も

「一つ手前で降りたな」と気づいたが黙っていたら、

カーナビだけがまだ高速に乗っているつもりで

「出口です。出口です…」

と言い続けた。