出張続きで一週間家にいなかった。
「いいなあ、自分のことだけしてたらいいんやろ」
と妻に言われるも、
「仕事やんか」といいつつ、
すごく楽しみにしていたが、
2泊目の夜に子どもに会いたくなって
携帯で子どもの写真を見て寝る。
名古屋でタクシーに乗ると、
かなり年配の運転手さんが話しかけてきた。
「どちらからお越しですか?」
「東京です」
「失礼ですけどお医者さんですか?」
と聞かれた。
「どこか悪いんですか?」
「もう悪いとこだらけで」
おじいさんの運転するタクシーは、
降りる予定の高速の出口の一つ手前で間違って降りた。
おじいさんも僕も
「一つ手前で降りたな」と気づいたが黙っていたら、
カーナビだけがまだ高速に乗っているつもりで
「出口です。出口です…」
と言い続けた。