夕立に会ってびしょ濡れで帰ってきた次男が、
「雨の中で遊んできていい?」
とまた出ていったので、
僕も傘をさして表に出た。
「おかしくない?雲が左に動いてるのと、右に動いてるのとある。見て、向こうのほう晴れてる」
次男はさっきよりも雨に濡れていた。
どんよりとした空の一部分だけ夕焼けで赤かった。
僕は先に家に入った。
「外めっちゃ寒いよ、氷点下だよ」
と言って長男も部活から帰ってきた。
「へえ、そんなに寒いんか」
と聞くと、
「ねえ、氷点下ってなに?」
って長男が言った。
「すごく寒そうに聞こえるだろうと思って使った」
らしい。