俺のイタリア

イタリアに行ったことのない男の日常

帰りたい

f:id:kaseken:20201027154127j:plain


朝の散歩に三男が、兄のローラーブレードを片足だけ履いて行くと言って聞かない。

片足だけ履いて歩き出すと、

案の定、アイススケートを初めてする人みたいに、

へっぴりごしで壁を伝って、ひょこひょこ歩いている。

遅い。全然進まない。

お婆さんに抜かれた。

犬の散歩には、速攻で抜かれた。

 

「いつもの道もきみの歩みに合わせて、ゆっくり歩けたおかげで、今まで気づかなかったものに出会えた。ありがとう息子ちゃん」

とか全然ない。

家のすぐ前の道なんて、

今更見るものは何もない。

ここをこんなにみっちり歩きたくない。

 

三男が自分でしゃがむとこけるので、

落ちているどんぐりを拾えという。

拾って渡すと大事そうにポケットに入れる。

 

日傘をさした人を見て、

「雨ふってないのにねー」

と嬉しそうに耳打ちしてくる。

 

少しするとポケットのどんぐりが無いと騒ぎ出す。

探しにいこうと言われる。

へっぴりごしで来た道を戻る。

三男は途中、道端の花に気を取られて、

どんぐりのことを全く忘れてる。

帰りたい。