俺のイタリア

イタリアに行ったことのない男の日常

「すっごいいいの買ってきたよ。」

学校のバザーから帰ってきた次男が興奮して言った。

居酒屋で焼酎が入ってそうな蛇口のある甕。

友だちと取り合いになってジャンケンに勝ち、

やっとのことでうちにやってきた、らしい。

どおりで立派な木の台座に座ってる。

「250円安いでしょ?」

と次男は小さな蛇口をひねって、

満足そうに水を飲んでいた。

 

2日経過。

すでに次男はその甕の存在をすっかり忘れているが、台所ではかなりの存在感を放っている。