俺のイタリア

イタリアに行ったことのない男の日常

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「なんか家事全部やってるつもりかもしれないけど、やってるの5分の1やで」

と嫁さんに言われる。

「その5分の4に掃除は入ってんの?」

と言い返すと、

「失礼やな、たまにしてるよ。掃除機あげよか?私、掃除機嫌いなの」

と言ってくる。

「じゃあ、掃除機もらうわ」

と言うと、急に嬉しそうに、

「本当に。すごい助かる。それやったら3分の1やわ。ありがとう」

と感謝される。

 

 

本格派

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今日は新宿で撮影があった。

撮影が終わるとちょうどお昼時。

周りを見渡すと本格派らしい店構えの中華屋があった。

ランチのメニューを見てみると、

そんな高くない。

ここの名物は、

オイスターソース味の具材の入ってないシンプルな焼きそばらしい。

「とりあえずそれは食べよか。」

と思い、セットでお粥がついてるのと、

チャーハンがついてるのがあって、

「お粥の方が本格っぽいか。」

とお粥のセットの方にした。

 

炭水化物でお腹はいっぱいになったけど、

全然満足しなかった。

 

 

 

夏の御堂筋線

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26歳の夏。

あの夏も今年みたいに、驚くほど雨が降らない夏だった。

その時の僕は、イギリス留学を思い立ち、費用を稼ぐ為に東京のアパートを引き払い、地元大阪でテキ屋をしていた。

 

初日、御堂筋の道端に一人、

作ってきたTシャツを道に広げた風呂敷に並べ終わった時には既に、なんでこんなこと始めてもうたんやろうかと、深く後悔していた。

売り出してから、何時間も誰も見向きもしなかった。する事がないので、自分の人生はどこで狂いはじめたのかと回想してたら、目の前に、自転車に乗ったおっちゃんが止まった。

どう見てもTシャツを買いそうにない。

「なんや、にいちゃんTシャツ売ってんの?」

と言って、明らかに似合いそうにないデザインのTシャツを、自転車から降りずに手を伸ばして一枚掴むと、

「買うたるわ」

と驚く僕にお金を渡し、

「がんばりや」と言って、

大阪の夏の熱風の中、おっちゃんは颯爽と難波方面に走り去った。

 

今思えば、あれがそれからバカほど売れる事になる最初の1枚目だった。

僕はそれから、毎日のように警察に補導されたり、ケイゾー君と言う人が現れて手伝ってくれたり、本物のテキ屋の人に脅されてショバ代を払ったり、女の子二人組が昼間は売ってくれるようになったり、調子乗ってテキ屋を三店舗に増やしたり、東京から友人高木さんが新しいデザインを送ってくれたり、朝、儲かったお金を布団になれべて寝るのが、唯一の楽しみだったりして、気がつくと夏の間だけで、目標金額の倍以上稼いで、その後すぐにイギリスに行くことになる。

 

と、今日家でこの話になったら

「その行動力は無くなったの?」

と嫁さんに言われた。

もう無いと思う。

 

そのあと、難波方面に走って行った自転車のおっちゃんは、また僕のところにやってきて、

「これ食べや」

吉野家の牛丼をくれた。

おっちゃんは、梅田方面に走っていった。

 

 

 

 

グラタンスパゲティー

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今日、いつも行く喫茶店で隣にいた家族のお母さんが、

メニューの写真よりチーズが少ないと言って、

グラタンスパゲティーを作り直させていた。

 

「メニューの写真と同じ物が出てくることはまず無い。」

 

 という事を、出会い系サイトで知り合った人とデートしては、

「がっかりしたわ」

と言う友人のSにもええ加減分かって欲しいし、

相手の方ががっかりしてるという事も分かった方がいい。