俺のイタリア

イタリアに行ったことのない男の日常

ぬるい

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夕方、喫茶店で翌日締め切りの東京新聞の原稿を書く。

横のカップルが、入ってきてから一言も喋らない。

気になる。

うるさいよりも気になる。

とうとう喋らないまま帰っていった。

まあまあうまいこと書けた。

5時に喫茶店を出る。

外に出ると風がぬるい。

もう夜やなと思う。

自転車漕ぎながら、

「この感じ、なんか思い出すなぁ」

と思ったけど、

「そう、あの夜も確かこんなぬるい風が吹いていた」

とか、思い当たる特別な話もなく、

ただ、そんな気がしただけ。