商店街の「のんきや堂」というおもちゃ屋さんが店を閉じた。
僕は長い間、そこでフイルムの現像を出していた。
店に行くと誰もいないことがよくあって、
ちょっと待っているとおっちゃんが、
買ってきた弁当をもって現れた。
店にいる僕を見ておっちゃんは、
ドキッとした顔をして驚いた。
フイルムの受付の紙にすごい達筆で僕の名前を書いて、
いつも端数の2、3円おまけてしてくれた。
でも、お店がなくなったのは、
おっちゃんがのんきなせいではなく、
世の中の流れだろう。
跡地はコインパーキングになった。