俺のイタリア

イタリアに行ったことのない男の日常

モドキ

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祭日に子ども3人と自然観察会に参加して、

近くの鷹取山に登る。

三男がよく歩いた。

虫の先生が面白い。

虫より面白い。

 

トノサマバッタ」に似てて小さいバッタが、

「クルマバッタ」という名前で、

その「クルマバッタ」に似てて小さいのが、

「クルマバッタモドキ」という名前。

小さいと大体モドキと呼ばれる。

と教わる。

 

中学の時、加藤という名前の子が2人いて、

「加藤」と「小さい方の加藤」と呼ばれてたけど、

小さい方の加藤も大きかった。

僕が好きだったKさんは、

最初、「小さい方の加藤」が好きで、

そのあと、「大きい方の加藤」と付き合ってた。

もし、僕が「加瀬」じゃなくて「加藤」だったら付き合ってくれたかもしれないけど、「小さい方の加藤モドキ」と呼ばれるのは嫌だ。

とか考えながら山を降りた。

 

サルがサルを

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朝のうちはダラダラして、

昼から家族で披露山公園にいく。

サルを見る。

うちの子どもが並んでサルを見ていたら、

サルがサルを見ているみたいに見える。

 

写真を撮ろうとすると長男が、

「新聞に出さないでよ。本もだよ」

と言ってきた。

「農家の子が田植え手伝うのと一緒や」

と言うと、

「じゃ、撮ってもいいけど、今晩スシローだよ」

と交換条件を出してきた。

撮ったけど、スシローには行かなかった。

 

飛ぶ教室

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10年前ぐらいに、絵本作家の荒井良二さんの写真を撮った「飛ぶ教室」という雑誌の秋号に書かせてもらっています。

臨床心理士河合隼雄さんにぞっこんだった僕が、お弟子さんでカワンセラー(河川のことならなんでも知っている)の山中康裕さんに会うことができたという驚きの体験くれた雑誌です。

次の仕事がまさかのエッセイになるとは、

10年前は思いもしませんでした。

小2の時に関西スーパーで万引きしたこととか書きました。

よかったら読んでみてください。

 

帰りたい

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朝の散歩に三男が、兄のローラーブレードを片足だけ履いて行くと言って聞かない。

片足だけ履いて歩き出すと、

案の定、アイススケートを初めてする人みたいに、

へっぴりごしで壁を伝って、ひょこひょこ歩いている。

遅い。全然進まない。

お婆さんに抜かれた。

犬の散歩には、速攻で抜かれた。

 

「いつもの道もきみの歩みに合わせて、ゆっくり歩けたおかげで、今まで気づかなかったものに出会えた。ありがとう息子ちゃん」

とか全然ない。

家のすぐ前の道なんて、

今更見るものは何もない。

ここをこんなにみっちり歩きたくない。

 

三男が自分でしゃがむとこけるので、

落ちているどんぐりを拾えという。

拾って渡すと大事そうにポケットに入れる。

 

日傘をさした人を見て、

「雨ふってないのにねー」

と嬉しそうに耳打ちしてくる。

 

少しするとポケットのどんぐりが無いと騒ぎ出す。

探しにいこうと言われる。

へっぴりごしで来た道を戻る。

三男は途中、道端の花に気を取られて、

どんぐりのことを全く忘れてる。

帰りたい。

 

 

 

 

 

お祝い

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4人目になるとお祝いも何を送ればいいかわからないので、何か欲しいものあるって聞かれる。

何って言ったらいいか嫁さんに聞くと、

「お米」と答えた。

さすがに「お米ください」とは言いにくいので、

「食べ物がいいです。」

って言ったら煎餅のセットが来た。

食べてて、

「煎餅もお米やな」

と思った。

 

 

 

真夜中

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夜中に目を覚ますと、

嫁さんは、ベットに座って赤ちゃんに授乳していた。

「たいしたもんやな」と

「すいませんね」という気持ちで、

声もかけずに嫁さんの後ろ姿を見ていたら、

不意に片尻をあげて屁をこいた。

「たいしたもんやな」と思った。