俺のイタリア

イタリアに行ったことのない男の日常

インスタグラマー

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昨年、インスタグラムをやめた。

やめてみると、

今までインスタを見てた時間に

何していいかわからなくて

手持ち無沙汰になる。

「インスタやめたらなんかいい感じするわ。見てたらやっかみで疲れるやろ」

と妻にいうと、

「あんた性格悪いからな」

といわれる。

 

性格が悪いのでインスタグラムやめました。

 

 

 

サウナ

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「サウナに入ってるおっさんのモノマネするね」

風呂に入っていると長男が言った。

桶に入れた冷水に手ぬぐいを入れる。

手ぬぐいを軽く絞り、首筋に当てる。

鼻頭に当てる。

ため息をつく。

耳の穴を手ぬぐいでほじくると、

肌には先程までの張りはなく、

頭には白いものが混じっている。

だらんと垂れたいちもつを見つめて

またため息をつくと、

安物の焼酎の匂いがこちらまで漂ってきた。

 「もう怖いからモノマネやめて」

と僕がいうと、

疲れた表情でこっちを見たおっさんは僕自身だった。

 

年賀状

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年賀状を何年も書いているけど、

誰だかわからない人が二人いる。

一人は顔を見たこともない。

でも、送られてくるので返している。

多分、向こうも送られてくるから、

送り返しているに違いない。

律儀な人ということだけは分かってる。

 

 

写経

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長男が塾の冬季講習に行っている。

小四で燃え尽き症候群にならないかと

心配している。

 

小学校の時の友達の

あまり勉強のできる方じゃなかったじゅんやくんが、

6年生になったぐらいの時、

親は何を夢見たか、近所の英語塾に通わせだした。

 

その英語塾は、一単語暗記するのに、

100回も書かせるようなきびしい塾で、

じゅんやくんが、急に遊んでくれなくなったので、

僕は仕方なく、写経の様に勉強をしているのを

よく横から眺めていた。

 

そんなある日。

じゅんやくんに変化があった。

後頭部に円形脱毛症が出来てきたのだ。

最初毛が薄いなぐらいだったそれは、

やがて1円玉ぐらいになり、

気がつくと500円玉大に成長していた。

他にも小さいのが2つ出来て、

計511円ほど後頭部に貯金していた計算になる。

流石にかわいそうに思ったのか、

親が塾をやめさせると、

驚いたことにじゅんやくんの頭の貯金は、

みるみるうちに目減りしていった。

が、英語の成績も目減りしていった。

 

それから何十年ぶりか、偶然にじゅんやくんに会った。

子どもを2人連れて市民プールに行く途中らしい。

時の流れに驚いた。

じゅんやくんの頭はすっかり禿げ上がっていた。

僕は努めて、目線が頭にいかない様にしていたが、

「こいつ貯めこみやがったな」と思ってた。