俺のイタリア

イタリアに行ったことのない男の日常

陸上競技

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三男の運動会。

父兄のリレーを見ていると、

「多分あの人が一番早いよ」

と長男が言った。

陸上選手のような格好をした、

いかにもに足の早そうなお父さんがいた。

「やっぱり父兄リレーに出なくてよかった」

と思って見ていたら、

その人はそんなに早くなかった。

「あの人、そんなに早くなかったね」

と長男も言っていた。

 

 

 

推敲

前にある雑誌に書いたエッセイが、

雑誌から出るエッセイ集に入る。

うれしい。

当時、そのエッセイを提出する際、

文章中の「ウンチ」を「ウンコ」に土壇場で変えてもらった。

 

悩んでいる。

「ウンコ」は少しとんがっているように今は思う。

「ウンチ」の方が可愛らしくて、いい。

もしかしたら、

「うんち」の方がなおいい。

計5回も出てくるから悩んでいる。

 

想い出の渚2

去年の夏、商店街を歩いてたら、

「修理しても一万はかかるよ。買った方がいいんじゃないかな」

と、自転車屋のしゃがれ声のおじさんに言われ、

どうしようか悩んでいた女の人に見覚えがあった。

でも、誰だか思い出せなくて、

そのあと行った古本屋で立ち読みしてる時に、

いつもいく喫茶店のパートの人だ、

と思い出した。

 

あれ以来、喫茶店でその人に接客されるたびに、

その後、自転車どうしたのか聞きたいけど、まだ聞いたことはない。

 

 

図書館

行きつけの喫茶店が改装中なので、

図書館に仕事をしに行く。

係の人に席の取り方を聞くと、

「よくこられますか?」と聞くので、

初めてなことを伝えると、

「これからもよくこられますか?」と聞いてきた。

僕が「今日次第で、よく来るかどうか決まります」と言うと、

機械で今日の分のチケットを取ってくれた。

よく来ると言えば、どうなっていたのか気になりつつ席に向かう。

自分の席を見つけると、

横の席のおじさんの六法全書が置いてあったが、

僕が椅子を引くと退けてくれた。

IPADを出して、仕事を始める。

「シューハー、シューハー…」

ダースベーダーのような息遣い。

六法全書のおじさんで間違いがない。

気になる、が気にしないふりをして仕事を続ける。

ガタガタガタガタガタ…。

六法全書のおじさんの貧乏ゆすりで間違いがない。

しかも、横目でみてみるとなぜか裸足。

そして、時折粉っぽいものを指先でパラパラと僕の方に撒く。

もう帰りたい、が負けたような気がするので

画面に集中しているふりをする。

六法のおじさんがゲップをした。

片ケツを上げ屁をこいた。

僕は文字を打っいるふりをする。

「これも勉強です」と六法が独り言を言って、

ユーチューブを見だした。

それは勉強ではない。

この先、うんこをするか、ちんちん出しても

もう僕は驚かない。

図書館には、あまり来ないと思う。

 

 

 

 

思い出の渚

僕の事務所という名のなぎさ橋コーヒー店が、

改装の為、半年間の休業に入った。

すごく困っている。

文章を書く場所がなくなった。

どうしよう。

 

コロナ禍絶盛の頃。

2人のおばさんが、話に盛り上がっていたところ、その横の席のおじいさんが、「おめえたち、ペラペラペラペラ喋りやがって、飛沫が飛ぶんだよ」と大声で飛沫を飛ばした。

おばさん2人は、

「すいません、おじさん。場所変えますね」

と少し甘い感じで和やかにその場を収めようとしたら、

「俺はおまえのおじさんなんかじゃねえ」

とおじいさんはキレていた。