募金
駅前で募金のおばさんに捕まる。
見た目から、暇そうに見えるのか、
駅前で、よく色んな人に捕まる。
おばさんは、僕をロックオンするや否や、
ものすごい勢いで、話し出した。
要約すると、
昨日からこの場所で募金活動しているが、天気も良くなく、すごく寒かったので、まだマンスリーサポーターが1人も決まっていない。記念にこの駅の募金第一号になりませんか?
とかなんとか言っていた。
僕は今あったばかりのおばさんの、
ここの駅での業績を上げるために、
募金するのは違うと思った。
話がひと段落した隙をついて、
「ちょっと考えときますわ。」
僕がというと、
おばさんは、今まで熱心に話していた表情をサッと消したと同時に、同じトレーナーを着た同僚の横に瞬間移動していた。
僕は一人、その場に取り残された。